雲谷派展へどうぞ
おおすみ歴史美術館では今、雲谷派の絵画をご覧頂く展覧会を開いています。会期は3月20日から4月19日までです。
雲谷派について手短にご説明しましょう。もっとも、専門家の先生方の解説の受売りですが。
大内時代に画聖、雪舟が山口で活躍していたことはご存知ですね。大内の殿様から頂いたアトリエ・雲谷庵に住み、現在国宝になっている「山水長巻」などの傑作を描きました。
雪舟が世を去ったのは約500年前ですが、その画風を受け継いだ画家集団が雲谷派で、始祖は雲谷等顔(1547-1618)です。
本名、原 直治という武士ですが、毛利輝元に画家としての力量を認められ、文禄2年(1593)ごろ雲谷庵を拝領し、毛利藩の御用絵師としてスタートします。
同派をさらに発展させたのが、二代目の等益(1591-1644)です。
そして、宗家だけでなく、たくさんの分家、弟子家が生まれ、幕末に至るまで活躍しました。日本の近代絵画史上、雲谷派は狩野派と並ぶ一大流派といわれます。今に伝わるその絵は、私たち山口県民が誇る文化遺産ですね。
雲谷派の作品のメッカは山口県立美術館で、優れた作品をたくさん収蔵し、折に触れて展覧会を開催しています。当館の展示はささやかなものですが、民間の一つのコレクションとしてご覧ください。
展示作品は伝等顔の「鷹図」、伝等的の「山水図屏風」など11点で、うち等的の「文殊菩薩像図」と等璠の「墨竹図」は市民のご提供です。
等鶴の「漁村夕照図」や等潤の「太公望図」は、かって山口県立美術館で開かれた特別展「雲谷派の糸譜展」に出品したことがあります。
その図録に「漁村夕照図は、のどかな漁村の光景が行体風の柔らかい筆致で描かれている。」「太公望図は和様化の進んだ幕末期雲谷派人物画の典型的作例」などと評されています。展示作品は、淡彩の人物画や、墨画の山水画が多いのですが、雲谷派の美の一端にふれてくだされば幸いです。
おおすみ歴史美術館・江戸康尹